♠ 恋情抄―昭和綺談

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恋情抄―昭和綺談　/　著：池戸 裕子

あらすじ＞＞
夢の中なら、アナタに逢える……。高村と鹿嶋は小さな頃からの隣人同士。生まれつき足が不自由な上、妾腹の息子の高村は、鹿嶋への好意を隠し心を閉ざしていた。唯一の楽しみは、夢のなかで逢瀬を重ねること。ところが鹿嶋も全く同じ夢の話をし始めて……。

個人的評価★＝5

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この作品をきっかけに池戸裕子さんのこれまでの作品を買い漁ってます(^^;)
それくらいこのお話が凄く印象深くて、大好きになりました(*^^*)

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このお話は現代の設定ではなく、恐らく明治時代の後半～昭和初期（世界大戦前）のお話です。

身体が生まれつき弱い高村の家の隣に、同い年の鹿嶋とその家族が越してきます。　鹿嶋はすぐに子ども達の輪に加わり、目立つ存在で、高村は鹿嶋を遠くから眺めて過ごします。　そんなある日、お互いの庭の境に育つ林檎の樹の傍で、鹿嶋に声を掛けられたことにより、急速に仲良くなります。　しかし、鹿嶋の母親から「息子と話すな」と言われ、それも束の間の楽しい時間となります。

疎遠な時間を過ごしつつも、高村は鹿嶋をずっと想い続けます。
すると、ある時から高村はすごくリアルな夢を見だします。

その夢の中では高村は現実の高村でなく、そうありたいと願っていた健康な身体を持っており、夢の中で出会った鹿嶋に思わず隣に住む高村の従弟だと名乗り、何度も夢の中で鹿嶋と過ごす高村。
ある日、現実の世界で鹿嶋から「高村の従弟・文哉を知っているか」と問われたことにより、もしかしたら鹿嶋への想いの深さから生霊として鹿嶋と過ごしているのでは…と高村は考えます。 

しかし、現実世界では不自由な身体も夢の中では健康で自由な身体で、ずっと想い続けていた鹿嶋と過ごす夢の世界に夢中になる高村。 そんな中、鹿嶋が結婚するという話を聞いて、高村はますます夢の世界に執着していきます…。

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とっても不思議なお話で、文章もとても優しく、心に染みるようなお話でした。
ストーリー重視な方、優しいBLが好きな方、和風なBLが好きな方に是非お勧めしたいです(*^^*)♪

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♠ 愛されたがる男

愛されたがる男 / 著：樹生かなめ

あらすじ＞＞
「俺はもう耐えるだけの毎日はまっぴらだ」!?
世が世ならお殿様である室生家十八代目、室生邦衛と世が世でも一般庶民の滝沢明人。ふたりの関係が幼馴染みから恋人へと発展したのは、つい最近のことである。だけど、キスから先はお預け状態!好きだけど抱けない。抱きたいけど好きだから抱かない。一生つき合いたいからこのままで、なんて邦衛の不条理にはつき合いきれない!!明人、反撃開始。

個人的評価★＝3.5

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『不条理な男』の続編です。

相も変わらず不条理で理解不能な邦衛ですが、明人が邦衛に振り回されるだけなのを止め、誰にでも一瞬で恋に落ち口説く邦衛を跳び蹴りなどを喰らわすようになってます。 でもそれ位してもいいと思います。 邦衛も最後の方では、『明人が泣くから』と多少は我慢が利くようになっているみたいでしたし。

途中に邦衛の義弟・清隆の存在がサラッと出てきますが、ホント清隆の方がずっといい男だと思います。 そっちを選べば幸せになれるのに……。 なんだかんだ言いながらも、明人も邦衛が好きなんですね。

ホワイト・レーベルだから仕方ないかも知れませんが、前作でもエチシーンはありませんでしたが、今作でもありません。 朝チュンシーンはあるので、確実に事後なんですが、他の樹生先生の本のようにしつこいようなエチシーンはないので、エチシーンがないと！という人には物足りないかもしれません。

ですが、前作が好きな人には多少邦衛をコントロール出来るようになった明人が見れて面白いと思います^^

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♠ R134

R134 / 著：橘　紅緒

あらすじ＞＞
「俺だけ見て、俺にだけ話して、俺だけに優しくしてればいいんだよ」
四年前、白倉梓朗は幼馴染みで誰よりも大切な麻也を守るため、留学を決意した。そして今日、麻也のもとへ帰ってきた。けれど、梓朗の留学を裏切りとしか考えられなかった麻也は「一生おまえの顔は見たくなかった」と梓朗に告げる。一緒にいることに慣れすぎていたふたりの別離。それは互いに不安とより強い独占欲を抱かせもした。麻也を誰よりも理解しているのは自分だ、絶対的な自信を持っていた梓朗だったが―…。

個人的評価★=3.5

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この作者さんの本は初めて読みました。
表紙の美麗さと、帯に書かれた台詞「俺だけ見て、俺にだけ話して、俺だけに優しくしてればいいんだよ」で、買いました(*^ω^*)♪

知らずに購入したんですが、この方の作風は本当に独特です。
梓朗・麻也視点以外に、麻也が面倒を看ている由宇視点もあったりし、それがコロコロと変わるので、「あっ、梓朗視点から麻也視点に変わった」…と、切り替えなくちゃいけなかったりしました(^^;)

文章もブツブツと切れる感じなんですが、詩的で綺麗でしたが、駄目な人には駄目なんだと思います(>_<)

↓↓こんな感じ↓↓

　隙間なく唇を交じりあわせたまま、ゆっくりプールに沈んでいく。
　透き通ったブルーのなかで、シャツが両側へふわりと広がった。
　双方の躰を両腕でしっかりと繋ぎとめ、まるで酸素を分かちあおうとするように互いの舌を貪る。
　胸が熱い。
　足が自然と水中に浮力を蘇らせて、躰が上昇する。
　顔を水面から出すと同時に昇りが弾けた。軽い酸欠で呼吸が乱れているままに激しくくちづけあう。
　空気よりも相手を欲していた。
　とまらない。
（本文P.131から）

攻めの麻也は複雑な家庭環境から、梓朗にしか心を開かず、男性・女性問わず性的な行為に嫌悪しています。そんな麻也とずっと一緒にいる為に、4年前単身NYに留学に行くのですが、その梓朗の行動が麻也には裏切り行為にしか見えません。

4年後、梓朗は帰国し、離れていた間の互いの変化に戸惑いつつも、2人は再び相手を求め合います。
特に麻也の梓朗に対する子供のような執着が堪りません(*´艸`).+ﾟ*｡:ﾟ+

一気にバァーと読み進める感じの作品ではないので、秋の夜長にじっくりと、文章間の余白を楽しむように読むのをお勧めします(*^ω^*)♪

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♠ ビタースイートロリポップ

ビタースイートロリポップ　/　著：弓月あや

あらすじ＞＞
美海が幼い頃に求婚したお人形のような子は、十数年後、精悍な男になっていた。その男・檀（まゆみ）は、突然の再会に戸惑う美海に口づけ甘く囁く。「かわいい美海、俺が全部教えてあげるから」自分がお婿さんのはずなのに、甘く蕩けるような檀の愛撫に、無垢な体は簡単に堕ちてしまう。毎日のように抱かれ、淫らに泣き喘ぐ自分。このままでは檀無しでは生きられなくなってしまうと怯えた美海は、ある決断をするが…!?ビタースイート&プチSMな許嫁ロマンス。

個人的評価★=2.5


自分が守ってあげなきゃいけなかった可愛い幼馴染みが、180オーバーのモデルばりの男前に変貌…BLでよくあるお話ですよね。王道、まさしくBLの王道です。
だからこそ、安心して読める部分もありますよね(^^)

アメリカから帰国した檀は、大学院で文学の研究をしている世間知らずな美海をこれでもかという程甘やかし、あっという間に手篭めにしちゃいます。

美海はそんな檀に甘やかされ、惹かれていき、以前ほど文学の世界一色でない自分に気付きます。ちょうど自分に降って湧いた縁談話を理由に、檀から離れる決意をする実海。

中盤までは良かったんですが、美海が檀への気持ちを自覚した辺りから急に美海が自分勝手としか思えないような行動を取り、受け付けませんでした…orz|||
実家が政財界のお偉方や梨園の大役者やらが利用すると言われる特別病院で、3人兄弟の末っ子で甘やかされて育ってるのを自覚しているのですが、世間知らずにも程があるくらいの世間知らずやし、自分から檀を切り離すような行動に出たのに、檀が女の人と歩いているのを見て「裏切り者」とか言ったり、他人の気持ちに思いやる性格ではなかったかと思います(>_<)

設定はBLの王道で、私も大好きなパターンなんですが、私には残念ながら合わなかったですι
素材は良いのに、調理法を間違えた感じ……残念(>_<)

♠ 眠る劣情

眠る劣情 / 著：夜行花

あらすじ＞＞
妹が何者かに誘拐された!?内野晶への犯人からの要求は、「おまえの親友の明石章文の結婚を阻止しろ」ということ。なぜ、解放の条件が親友の結婚と結びつくのか?かつて高校時代に、章文に告白され振ってしまった晶。罪悪感を抱きつつも「好きだ」と嘘をつき、婚約破棄を迫るしかない。ところが、なんと章文は婚約を解消!「恋人なら抱かせろ」と貪るようなキスをしてきて―。


個人的感想★=4

大好きな夜光花先生の本がまたまた発売されていました(*´艸`)

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大好きな夜光花先生お得意のミステリー。
ですが、今回の話の鍵となる誘拐の犯人は、恐らく夜光花先生ファンなら途中で真犯人は読めてしまうと思います(^^;)　実際、推理小説とか犯人が読めない私ですら、真犯人が分かっちゃったので…。　

ただ夜光花先生のお話の場合、アレがそう繋がるんや！っていうどんでん返しもあったりするので、ドキドキハラハラは十分楽しめました(*^^*)　話の中にからくり人形が好きな推理作家・久緒というキャラが出てくるのですが、謎が多く、コイツも誘拐に一枚噛んでるんじゃないか…と途中疑ってしまいましたが、このキャラは普通にイイ人でした(^^;)　あとがきに『久緒はまた何かの機会に登場させたい』とあるのですが、不思議な考え方をするがイイ人な久緒がこれ（脇役）だけでは勿体無いキャラなんで、その際は是非メインでお願いします(*^^*)

あと、私は常々BLに女性は要らないと思っているんですが、このお話にもガッツリ関わってきます(>_<)　しかも、このお話では受け・晶の妹が初っ端から異常なほど兄に執着し、本気で気持ちが悪いし、苛々しちゃいます…orz|||　また晶も妹に負い目があるので、強く拒絶しませんしね…。　ただ、最後の方で妹に面と向かって「鬱陶しくてしかたなかった」と言ってくれた時には、「やっと言ってくれたか…」とホッとしました(^^;)

最後の最後で、晶の部屋にあるからくり人形の謎が解けるんですが…背筋が寒くなる真実でした
(((゜Д゜;)))ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

夜光花先生が好きな人、ドロドロなBLが好きな人にオススメです(^^)

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