♠ きみの背中をみている

  きみの背中をみている　/　著：椎崎夕

あらすじ＞＞
ずっと好きだった親友の結婚式の日、嶋津一哉は、酔った勢いで見知らぬ男と一夜をともにしてしまう。夢だと思いたい。けれど肌に残る痕がなによりの証拠だった―数か月後、一哉はある事情から親友の弟・西藤成章と同居することになる。成章は一哉がどんなに素っ気ない態度を見せても懐いてきて一哉のペースを乱す。そんな成章にいつしか一哉も心を許すようになっていった。だが、ある日、成章の背中に見覚えのある傷痕を見つけてしまい。

個人的評価★＝4

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中学生のときに両親の事故が亡くなり、今まで信じていた人に裏切られ、人間不信になった受・一哉は、大学で再会した中学時代の友人・芳晴のことがずっと好きだったが、その友人が遂に結婚することになります。結婚式当日次々とトラブルに巻き込まれた一哉は酔った勢いで見知らぬ男と寝てしまいます。 昨夜の自分はいつもの自分ではなかった、忘れてしまおう。一晩の関係なら相手も気付かないだろう…と。 数ヵ月後、ひょんな事から長年の想い人・芳晴の弟・成章と同居することになりますが、成章は見かけによらず真面目で同居するにも気持ちの良い青年で、人間不信の一哉もいつしか心を許します。 しかし、成章の背中にあの一晩の関係だった男と同じ傷がある事を知り、なぜ何も言わないのか、何が目的なのか…一哉は混乱してしまいます。


一哉の人間不信に陥る過去が可哀相過ぎます。そりゃ、誰でも信じていた人からそんな事されたら人間不信に陥るわ…唯一救いなのが、母親の妹・弥栄子と友人の芳晴がいたことだと思います。

一哉がそっけない態度をとっても懐いてくる成章に心を許す過程が丁寧に描かれており、一哉、良かったね～と思っている矢先に成章があの時の男だと気付き、一哉大混乱。 そんな時に自分を人間不信に陥れた人間の一人・将彦が押しかけてきて、おもわず成章に突っかかってしまいます。 もう成章が可哀相で、可哀相で…。 成章が一哉に好意を持っていて、尽くしているのが分かるのに、一哉には全く伝わっておらず、むしろ「脅迫するなら、ハッキリしろ。」と言われるんですよ(><) その後も一哉を気遣い、部屋が見つかったからと家を出るときも健気に一哉を想う成章に癒されますｖ

書き下ろしに、ハッピーエンド後の2人のお話があり、こちらは成章視点でお話が進みます。
「きみの背中を見ている」では若いながらも歳相応以上の落ち着きを持っているように見えた成章ですが、やはり未だ未だ若く子供っぽい成章が見れます。 頑張って一哉を守れる男になって欲しいなって思いました(^^) まだまだ前途多難な2人ですが、きっとこの2人なら大丈夫だろうって思わせてくれる応援したくなる2人です。

ちょっと切なく、胸にゆっくり染み渡るようなそんな一冊ですｖ