♠ 水曜日の悪夢

  水曜日の悪夢　/　著：夜行花

あらすじ＞＞
「悪夢のような過去は、決して繰り返してはならない」
高校の音楽講師を務める元バイオリニストの和成。不慮の事故で弾けなくなった和成は教え子である真吾の類まれなる才能に惚れこんでしまう。ある日、和成は、父親からの虐待に苛立つ真吾を預かることになった。「先生の身体、触りたい」教師として尊敬されているだけだと思っていた。突然無口な真吾に飢えた獣のように激しく求められて、和成は戸惑う。しかし愛を知ることによって、真吾の才能を更に伸ばせるならと偽りの愛情を与えてしまい…。

個人的評価★＝5つ

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これ、ホント面白いです！さすが夜光花先生です！

高校の音楽講師をしている元バイオリニストの和成が、赴任先の高校で類まれなる才能を持った真吾を見出すとこから物語りは始まります。バイオリニストの夢が潰えた和成は、真吾をバイオリニストとして育て世の中に出すことが第2の夢となるが、ある日悪夢のような事件が起き、またも夢が潰えた和成は絶望を覚えます。
しかし、奇妙なことが起こります。それは悪夢のような事件が起きた当日に時が戻っていたのです。事件を繰り返さないためにも和成は真吾を自宅に預かるようになりますが、真吾から想いを告白されます。戸惑う和成ですが、真吾の才能を更に伸ばせるならと偽りの愛情を与えますが…。

真吾が不器用で可愛いですｖ　自分の夢の為に偽りの愛情を与えたりとズルイ面もありますが、辛い事故を乗り越え凛とした美しさを持った和成がカッコイイです。昔から和成に好意を持っていたけど言えずにいた変わり者の紀ノ川に萌えましたｖ

エチシーンも濃厚だし、何よりストーリーがホントに面白いです！
二転三転するストーリーに最後まで読んで「こうきたか！」と思わせる結末。ホントにあの伏線がこうなるのか…という文章の上手さから、私は2度続けて読み返しました。今後の2人を短編でもいいので、またどこかで書いて欲しいです(＾＾)

ＢＬとしてだけではない面白さがある秀作です！

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♠ 花がふってくる

  花がふってくる　/　著：崎谷はるひ

あらすじ＞＞
大学助手の蓮実秋祐は、いとこの袴田涼嗣と同居している。同い年のくせに、際限なく甘やかしてくる涼嗣に、秋祐は密かに恋をしていた。近すぎる距離があたり前になっていた二人だったが、涼嗣が恋人・理名との結婚を決めたことから事態は大きく動き始める。秋祐は涼嗣への想いにピリオドを打ち、離れる決心をするが―。

個人的評価★＝4つ

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崎谷先生の作品はいくつか拝読していますが、中でもこの作品が私は一番好きです。
お話はとても地味で、ゆったりと進みますが、何故か何度も手にとって読み返しています。

読んでみて、攻めの涼嗣は小さいときから何でもすぐ出来て、手に入りすぎてきたからか、合理的過ぎ、人間としての感情が少し欠落していると思いました。ある種可哀相な人ですが、唯一幼馴染みの秋祐には普段の合理主義者ではなくなります。ただし無自覚。
一方、受けの秋祐は日常生活もままならいのじゃないか…という位不器用な人間で、いつか涼嗣は結婚するだろう…と思いつつ、一途に涼嗣を思い続ける健気な性格です。

昔故郷で話していたことを覚えていて、それを涼嗣の誕生日プレゼントにしようと準備していた秋祐ですが、涼嗣が誕生日に彼女を実家に連れて行くということを知り、長い片思いを終わらせる覚悟をする秋祐。その秋祐の告白により、自分の気持ちに自覚する涼嗣のシーンは、何度読んでも胃がキュッとなり切なくなります。

両思い後、涼嗣を引きずり込んだという負い目を感じる秋祐。しかし、そういう秋祐の負い目ごと優しく包み込む男らしい涼嗣に萌えましたｖ

また今市子先生の挿絵が繊細で美しく、物語の雰囲気とマッチしています。

落ち着いた雰囲気の作品が好きな方にはオススメです♪

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♠ 幼馴染み（1983-2004）

  幼馴染み（1983-2004）　/　著：吉原理恵子

あらすじ＞＞
ガキ大将の克美とみそっかすで泣き虫の明。―幼馴染みのふたりはやがて成長し、いつのまにか危ない関係に踏み込んでいく…。1983年「小説JUNE」に初掲載され、のちにルビー文庫で刊行された衝撃作『幼馴染み』。その本編2作に幻の短編「旋風」「パラレル遊戯」を加え、さらに待望の書き下ろし続編を収録―吉原理恵子、そしてボーイズラブの原点がここに。

個人的評価★＝2つ

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吉原先生の『愛情鎖縛』シリーズが好きだし、大好きな幼馴染モノだし、ＢＬの本としては驚く値段だったけど金ひかるさんのイラストも好きだし…と思い切って購入した作品です。

だけど、読み始めて直ぐに後悔しました(>_<;)
克己目線と明目線それぞれから第三者に向けて語られる文章に入りきれず、何とか読み終えました。。。ですが、カスタマーレビューでは高評価ですし、私が苦手なだけかも知れませんね。

ところで、ほんとに凄いですね～、吉原先生はあとがきでご本人も仰られていますが、今で言うところの『ヤンチャ受け下克上モノ』は20年以上前の当時では異色だったとか。どういった事でも新しい事に取り組むのって中々出来ることではないと私は考えているので、そういう意味ではＢＬの教養として(？)一度は手にとって見るのもいいかも。

何はともあれ、吉原先生の作品が大好きな方、原作ファンの方、「ボーイズラブ」の原点を知りたい方は一読されてみてはいかがでしょうか？

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♠ 牛泥棒

牛泥棒　/　著：木原音瀬

あらすじ＞＞
大学で助手をしている亮一郎は年上の口のきけない使用人・徳馬に密かに心を寄せていたが、想いを告げられずにいた。幼い頃から傍にいてくれた徳馬は、短気で我が侭な亮一郎にとってかけがえのない存在だったのだ。関係を壊すより、侍従関係のままでも徳馬を傍に置きたいと亮一郎が思い始めていた矢先、徳馬が突然暇を願い出た。許せない亮一郎は怒りで徳馬に冷たくあたるが…。

個人的評価★＝4つ

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まだまだＢＬ本を読み始めたばかりで、木原先生を存じ上げずに初めて購入した木原先生の作品です。 題名の『牛泥棒って…』とまず題名がインパクトありすぎで（笑）、表紙の綺麗さ、口のきけない使用人との主従関係というのに惹かれて購入したのを覚えています。
私は先ほども申し上げましたが、失礼にも当時は木原先生を存じ上げなかったんですが、この方の作品はイタイ系が多いとか…。ですが、この作品は全くイタくありませんのでご安心を！

舞台は明治時代で、妖怪が見え手の平に子鬼を飼う徳馬…と、幻想的で透明感溢れるファンタジーな世界です。徳馬と亮一郎のお互いを深く想い合う、いじらしく、とっても優しいお話です。特に徳馬の口がきけなくなった理由が明らかになるシーンでは、亮一郎を想う徳馬に感動し涙が込み上げてきました。

木原先生の作品が気になるけど、イタイのはちょっと…と二の足を踏んでいた方は是非読んでいただきたい作品です！

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♠ 行儀のいい同居人

行儀のいい同居人　/　著：愁堂れな

あらすじ＞＞
「俺、叔父さんとセックスしたいんだけど?」
ガタイが良くて男前、イマドキの男子高校生の甥・薫と同居することになった、大学准教授の徳永。亡き兄の忘れ形見である薫は、無愛想で生意気だけど、家事の腕はプロ並み!朝晩かかさず徳永に手料理を作ってくれる。けれどある晩無理やり薫に押し倒されて…!?ひとつ屋根の下、家族愛を超える激しい欲情に身を任せるスリリングLOVE。

個人的評価★＝3.5

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私の好きな叔父と甥の禁忌系で、あらすじにある「俺、叔父さんとセックスしたいんだけど？」という台詞、そして帯に「あんたとセックスしたいけど、どんなふうにすればいいの？」という文字に即レジに行きました（笑）

大学准教授の徳永は教え子と関係があったりして「教育者としてどうよ？」って感じの男ですが、甥の薫とどういう風に向き合えばいいのか頑張っている姿には魅力を感じました。 甥の薫も最初は感情が分かりにくく無愛想で可愛げのないキャラでしたが、心を開いてからは実際今時こんな高校生いないだろうという位真面目で感情表現が不器用な青年でとっても可愛くなりましたｖ

徳永は元々は攻めなんですが、薫に迫られ受け初体験です。お互い最初攻めのつもりで会話するシーンでは話がかみ合っていなく、自分が受けになることが分かった徳永の慌てっぷりは笑えました。

前半の状況に流されやすくハッキリしない徳永には多少イラっときましたが、徳永の亡き兄と薫との親子関係の説明部分では、一生懸命薫と向き合おうとしているのに気持ちが通じない亡き兄を思い涙を流す徳永と同じように、私も涙ぐみました。

ただ欲を言えば、もう少し攻め→受けへの激しい執着があるともっと萌たかな？
叔父甥関係（実際は義理だけど）を乗り越える訳だし、恐らく今まで恋愛をしたことがない薫なんだからもっとガーっときて欲しかったのが正直な気持ちです。最後まで行儀がよかったです（笑）

それでも何度も引っ張り出してきては読んでしまう不思議な作品です。
ほっこりした心温まるBLが好きな人にはオススメです。

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