♠ 猫から始まる恋もある

猫から始まる恋もある　/　著：樹生かなめ

あらすじ＞＞
優良企業アルトモーツの営業・曽根昴は朝、目が覚めると猫になっていた。しかも、恋人で優しいはずの会社の先輩・本間祥一は猫が嫌いで、猫になった昴には冷たい。困っていた昴を助けたのは、社長の甥でライバルの小此木克行だった。昴は果たして猫のままなのか?また、昴の初Hの相手はどっちに!?キュートでお茶目なラブ・コメディー。

個人的評価★＝3

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前回読んだ「もう二度と離さない」ではシリアスでしたが、こちらは樹生かなめ先生らしいSFXコメディーでした(^^)　SFX設定も樹生先生のタッチで描かれるコメディーなので、割と大丈夫でした。

受けの昴は25歳の設定にしてはちょっと子供っぽいかな？って感じでしたが、勝気な受けなのでショタっぽくはないです。攻めの小此木は出来るセールスマンなのに、好きな子（昴）へのアピールがものっそ下手で可愛いです(*^^*) 社内報に載ってる昴をオカズにしていたり、かなりのムッツリだと思います（笑）

昴の兄・右京は、きっと今までも昴が本当に可愛くて、陰ながら見守ってきてたんだなって分かって、本当にいい人でした(^^) 昴の恋人・本田に対峙するシーンでは、とってもカッコ良かったです(*^^*) このお話の中で1番の萌えキャラでした♥

物語の2/3は、昴が猫なのでエチ度は低めなので、BL初心者の方や、エチシーンを何ページにも渡って書かれるのが苦手な方には手軽に読めていいかなと思います(^^)


読み終わってよくよく考えると、昴と同じく妖怪とのハーフの海舟が何百年も生きていることを考えたら、将来は辛いな～って思っちゃいましたが…(:_;)

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♠ 恋をしている君たちへ

恋をしている君たちへ　/　著：麻生雪奈

あらすじ＞＞
中学生の時、北の国から転校してきた、カナの無口な親友・侑斗。高校生になったカナは侑斗に対し、「トモダチ」以上の感情を抱くのだが、今の二人の関係を壊したくなくて、自分の気持ちを隠していた。ところがある日、カナが中学生の時につきあっていた彼女・千鳥の存在を侑斗が知ったことから、次第にカナと侑斗のバランスが崩れ始めてしまう。さらに、侑斗と千鳥がデートをしたという噂が校内に流れ―。

個人的評価★＝3

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この本は、何か事件が起きたりする訳でもなく、主人公・カナの視点で恋愛に、進路に、将来に悩みながらも一生懸命向き合う姿を淡々と書かれた作品です。

もう初っ端のカナと侑人2人の教室のじゃれ合いが、付き合いたてのカップルのイチャイチャにしか見えません（笑） カナはそんな2人の関係を壊したくないので、自分の気持ちを誤魔化し、『トモダチ』と言い聞かせています。そんな時に侑人がカナの元カノとデートしたという噂を聞き、カナと侑人のバランスが壊れ、侑人の事で悩むカナですが、叔母の華の言葉でカナは侑人に向き合う勇気を持ちます。

この華の言葉がすっごく素敵です。
物語の中でも絵本作家の華は透明であどけないと表現されていますが、物事の真実というか核心というか、そういうのをシンプルに語る人でした。中でもすごく胸に響いたのが、『好きって、一番正直で一番いいことなの』、『たとえ相手が神様だって、好きになる心は自分だけのものでしょう。ねえ、カナちゃん。自由ってそういうことじゃないの？』　別に、今私自身が陽の目を浴びない恋愛をしてたり、過去そういう恋愛経験がある訳でもないんですけどね（^^;） だけど、男同士ってことで悩んでたカナにはすごく胸の内を軽くする言葉だっただろうなって思いました。

両思いになって直ぐに、もしかしたら北海道に帰ることになるかも…と侑人に明かされ、不安になり、駆け落ちをしようと侑人を誘うカナ。正直、読みながら「未成年の高校生が駆け落ちして、保証人もなく、生活していける訳ないのに。若いなぁ…」とか考えてしまい、お話に入りきれなかったりしたところもありましたが、そういう青い春らしいのがまた高校生らしいのかな。なんて思ったりしました(^^;)

高校生の時って、毎日の勉強や部活や友人、進路など色々悩んでた記憶がありますが、社会人よりも恋愛の割合がずっと大きいですよね。社会人になって分かりましたが…なので、カナ視点のこのお話を読んで、すごく高校生時代が懐かしくなりました(^^)

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♠ もう二度と離さない

もう二度と離さない　/　著：樹生かなめ

あらすじ＞＞
日本画の大家を父に持ち、美貌と才能に溢れる若き洋画家・佐伯渓舟は、助手であり恋人でもある相良司とともに暮らしている。小さなトラブルが起こることもあるが、強い絆で結ばれているふたりは幸せな毎日を過ごしていた。そんなある日、司の過去を知る男、そして渓舟の過去を探る男が現れたことにより、平穏な生活は少しずつ狂い始めていき…。

個人的評価★＝3

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こちらも樹生かなめ先生祭りで購入した1冊です。
読み始めは受けの司に攻めの渓舟もその友人・緒方や邦彦、渓舟の師匠・井伊先生まで皆が真綿に包んだ様に接するのが正直物足りないかな…？って感じだったんですが、途中から司の壮絶な過去が明らかになっていきます。

壮絶な過去はネタバレしてしまうと面白くないのでハッキリとは書かないですが、司はこれからも夢にうなされるほど過去を背負っていかないといけなく、そんな司ごと背負うつもりの渓舟。渓舟や緒方、邦彦は事件に苦しむ司を見て、反省し生まれ変わり、司を守っていこうとしていたんだと、最後明らかになります。辛すぎる過去を持つ司は、守られるべき存在で、物足りないとか考えた自分を反省しました(>_<) 一度読んでから、再度最初から読み直すと、より渓舟の司への深い愛情が伝わってきます。

いつもの樹生かなめ先生のコメディーとは違うドシリアスな作品で暴力とかが苦手な人は注意した方がいいですが、執着系な攻めが好き、今までの樹生かなめ先生の攻めが好きな方は、是非一読オススメします。

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♠ 不条理な男

不条理な男　/　著：樹生かなめ

あらすじ＞＞
室生家十八代次期当主、室生邦衛、二十一歳は世が世ならお殿さまと呼ばれる男である。特技は一瞬の恋。しかも相手選ばず、所構わず…。そんなマイウェイ男の幼馴染み・滝沢明人の悩みは、自分に対する邦衛の異常なまでの独占欲だ。友人が明人の肩に触れることも許さなければ、自分のデートにまで連れていくのだ!!俺っていったい何!?日々、邦衛に振りまわされる明人に明るい未来は訪れるのか?不条理ラブ登場。

個人的評価★＝3

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以前樹生かなめ先生の「黄昏に花」「黄昏に花が舞う」を拝読してから私の中で樹生かなめ先生がブームでして、そのブームの中で購入した1冊です。

世が世ならお殿様の邦衛は、一瞬にして所構わず、相手選ばずで恋に落ち、物にもハマればコレクター熱が熱く、そのハマっている物に関するものなら全て欲しいし、食べ物なら毎日毎食食べ続けたい…ただし飽きるまで。そんな邦衛に振り回される幼馴染みの明人と邦衛のお話です。

ハマればそれに関するものが全て欲しいし、食べ物なら毎食それを食べたいという邦衛の気持ち、実は私も同じ人種なのでものすごく分かります。私の場合は、毎日は流石に親にも止められるので食べないですが、2～3日に一度は飽きるまで食べ続け、ある日急にソレに飽きてしまうというのを繰り返しているので…(^^;) 邦衛はお殿様なので、明人が何を言っても止めません。明人もなんだかんだ言いながら、邦衛に振り回され、従わされてしまいます。

タイトル通り邦衛は「不条理な男」で、明人はそんな邦衛に振り回されっぱなしで、どうして邦衛なんかを好きになったのか分かりませんが、邦衛の異常なまでの明人への執着はやっぱり好みでした。友人の立良や雅紀が明人の肩に手を置くのすら許さず、邦衛がいない時に遊ぶのすら許さない。邦衛の彼女が「私と明人君、どっちが大事なの？」と聞いたら、すかさず「明人」と言うところがまた萌えます。本当に邦衛は明人が大好きなのが伝わってくるのですが、明人以外にも恋に落ちる――正しく病気なこの特技が私の中では許せず、「なら明人の他に手をだすんじゃねぇーよ！！」って何度も叫びました。心の中で、ですが。

宇宙人な邦衛に振り回され、エチシーンもないので、途中ダレかけたりもしましたが、でも何故か一気読みしてしまいました。続編もあるとのことなので、また何処かで見かけたら一応買ってみようかと思います。

イラストは奈良千春さんなのですが、2004年発行のこの本。今とは少しタッチが違うようですが、こちらもすごく好きです(*^^*) 邦衛も明人もやたらカッコイイし、邦衛の母親・祥子も病室での1カットのみでしたがすごく儚げな美人だったし、横顔のみだった雅紀もカッコ良さ気で、正直 正面からの挿絵がなくて残念な位です。

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♠ あなたに赤い花を

あなたに紅い花を　/　著：丸木文華

あらすじ＞＞
何もかもすべて壊れてしまえ!―腐れ縁の不良仲間、夜の街に君臨する実業家・渡辺…彼らと深く繋がるでもなく、かといって逃げ切れず…。人生に倦んでいた大学生の俊也はそんな時、ハーフの美形ホスト、チアキと出会った。長身にアッシュの髪、鋭い瞳をもつ謎の男。その忠告を無視して渡辺とまた関わってしまった俊也は、チアキに監禁され淫らな写真を撮られて…。危険な闇社会に咲く狂気と復讐のノワールラブ。

個人的評価★＝2

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丸木文華先生の「兄弟」＆「兄弟-夏-」で丸木先生独特のダークなお話に嵌り、BLゲーム「コイビト遊戯」で更にファンになり、今作はネットで発売されているのを知り、あらすじも読まずに購入しました。

これまでの「兄弟」の作風を同じく、攻めは受けに対してかなり執着しており、受けは無気力系です。ただ、今作の受けはどっぷり闇社会に入る勇気もないのに生意気でイキったヤツでホントに腹が立ちました。攻めのチアキは俊也に一目惚れだったらしいのですが、正直一目惚れってだけでこの受けのキャラを正当化しているのか？と思ってしまいました。

個人的な事になりますが、私の親が検察関係なので元々一般の人よりは闇社会について見聞きして育っていますし、未遂に終わりましたが最近カード被害に遭ったり、携帯の置き引きに遭ったり…と闇社会が実際にあるというのを感じてしまっているので、俊也が闇社会にどんどん巻き込まれていく様は妙にリアルで本当に怖かったです……。正直本を読みながら、当日中には携帯会社から無くした携帯に強力なロックを掛けてもらいデータ流出を防いでもらいましたが、それでも個人データがすごく心配になりました…。それ位リアルでした…。

話を戻しますが、俊也がチアキの正体に気付く前にチアキの正体が読めてしまいますが、裏切り者が（私には）意外な人物でビックリしました。そして終盤ガンガン人が死にます。（計4人）　人が殺され死んでいく描写がしっかり書かれているので、苦手な人にはオススメ出来ません。

ただ攻めのチアキや恋敵の渡辺は俊也にかなり執着しているので、決して私は嫌いな本ではないと思います。読む時期が不味かった…また時期を置いて読み返してみたいと思います。

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