♠ 炎の中の君を祈る

炎の中の君を祈る / 著：樹生かなめ

あらすじ＞＞
天才科学者清水昭利の高潔な理想は、周囲の人間の欲望によって裏切られていた!そして彼が魂を削って開発した限りなく人間に近いアンドロイドもまた―。予想もしていなかった悲劇が現実であることを知った時、怒りは世間に疎い研究者だった清水を変え命を賭けた戦いへと…。渾身のヒューマンドラマ。

個人的評価★＝4

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あとがきに、この本は樹生先生が本当に書きたくて書きたくて書いた本だとあります。
正しくその通りだと思います。

『樹生先生の作品だし、攻めがぶっ飛んだBLだろう』なんてのを期待して読む本ではないです。 エチシーンなんて御座いません。 現在の介護施設で問題視されている事柄や、今後必ず訪れる高齢者が高齢者を介護するようになる超高齢化社会への問題などを取り上げていた、ヒューマンドラマです。

清水博士が開発した慈愛の感情を持つ介護用最新型アンドロイドが本来の使用方法から外れた使用方法により、壊れていく現状を目の当たりにした清水博士の苦悩がすごく伝わってきて、涙が出ました。

現在のロボット進化は目まぐるしく、遠い将来このような人間の感情を持つアンドロイドが出来るかもしれません。 『人間はアンドロイドの尊厳をきちんと守れるのか？』、『アンドロイドの存在意義とは？』、『【命】とは何なのか？』 と読む者に問いかけてくる作品だと思います。

★-1なのは、ここからだろうというところで残念ながら終わってしまっているからです。 ですが、是非ともBLとかそんなのを抜きにして、読んで頂きたい本です。

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♠ 法律事務所に恋が咲く

法律事務所に恋が咲く / 著：樹生かなめ

あらすじ＞＞
就職のために奈良から上京した健介は、極度の方向オンチ。道に迷っていた彼は、美形のエリート弁護士・小早川に助けられる。なぜか気に入られ、小早川の法律事務所で働くことになった健介は、なんと社宅代わりの豪華ホテルに住むことに!しかも「雇い主に逆らってはいけないよ…」と襲われて、さんざん喘がされるハメになり―!?「僕は鹿に狂わされた…」って、なんで、鹿!?エリートなのに超カンチガイな美貌の天才弁護士と、平凡な純朴青年・健介の、受難と初体験いっぱいの、ハイテンション・ラブストーリー。

個人的評価★＝1

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関西圏以外の人から見たら『奈良＝鹿』という構図も理解できるのですが、その件が何度も出てくるので正直クドイです。 また奈良でも主人公の実家は吉野山出身の設定なのですが、その場所を登場人物の殆どが知らないのも引きます。 いくらなんでも世界遺産だし、法律事務所で働く事務員さんなら知っていると思います。

あと一番この本で受け付けなかったのが、主人公です。
いくらなんでも酷すぎます。田舎の純朴青年を表現したかったのかもしれませんが、シュレッダーもまともにかけれない現代の大人はいません。 知能指数が低すぎて、感情移入も何もあったもんじゃないです。

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♠ ホストクラブより愛を込めて

ホストクラブより愛を込めて / 著：樹生かなめ

あらすじ＞＞
愛していた男・相沢省吾に裏切られ、全てを失った超美形の蓼科敏史。彼が辿り着いたのは、夢を売る場所・ホストクラブだった。元社長令息の敏史も、今や客を笑わせて指名を取る「ヨゴレ」担当ホストだ。しかしそこに、社長となった省吾が再び現われる。省吾を許せず、拒絶する敏史だが「愛している」と囁く憎い男に心は揺れて…!?許せないけど、愛してる。客のためならふんどし姿にだってなる美形ホストと、不器用な野心家社長の、プライドぶつかるホスト純愛物語。

個人的評価★＝1

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まだまだ一人・樹生かなめ祭りは続きます（苦笑）

蓼科製薬の跡取り息子として何不自由なく生きてきた敏史は、蓼科家が所有する別荘と山林を管理を任されている家の息子で2つ年下の相沢省吾に恋心を抱いていました。

そんな敏史の両親が事故で急死し、社長に就任した直後から敏史の人生は狂い始めます。

姉夫婦から敏史の縁談話が持ちかけられ、その話を蹴った敏史は義兄に社長の座を奪われ退陣します。 会社を去った敏史は省吾に一緒に北海道で牧場で働こうと持ち掛け、一足先に北海道に着いた敏史の下に届いたのは、影の首謀者は敏史が好意を抱き信頼していた省吾だったと。 省吾は敏史が北海道へ発った後、敏史の縁談話であった女性と結婚し、蓼科製薬会社の社長の座に座ったのだと。 その後の敏史は昔家庭教師をしてくれていた和田が経営するホストクラブで「ヨゴレ」のホストになります。

そんな時、偶然省吾と再会します。
敏史がホストをしていると知った省吾は毎晩店に通い、敏史を説得しようとします。 自分を裏切り全てを奪った憎い省吾を怨んでいた敏史ですが、省吾と話し合う覚悟を決め、省吾の自宅に行きます。 そこで語られる真実。 それは、年齢も2つ年下で、学歴も下、生まれた家も育ちも敏史とは違う省吾は、一度でも敏史よりも上に立ちたかったからだと。

……なんだそれ。

敏史の両親のせいで親が首を括ったとか、そういうどうしようもない憎しみが省吾にもあったなら まだ 少しは理解も出来ますが、ただただ自分が上に立ちたかったからだとかそんな理由が、敏史という人間の人生を根底からひっくり返し、また敏史の姉夫婦もそれに巻き込んだのに、まかり通るはずもありません。

ですが、「敏史を今も愛している」、「敏史の為に離婚も成立した」という省吾を、憎みつつも、信頼し、恋心を抱いた過去のせいで心底から見限れない敏史は、「二度と騙さないでくれ」と言うに留まり、許します。

しかし、離婚が成立したというのは嘘だったと分かります。
今すぐ離婚をしたいと省吾は言うが、秘書の芳川に今は無理だと止められている現場を敏史は聞いてしまいます。

これまでの省吾が起こした事ですら許せないのに、離婚すらも嘘だったのに心底ガッカリです。 今までも省吾の気持ちを理解しようとこちらが歩み寄っているのを嘲笑うかのように、またやってくれちゃいました。 しかし、敏史も省吾の自宅で暴れまわりはしましたが、その後ホストクラブで仕事をし、その場に迎えに来た省吾と省吾の家に向かいます。

……なんだこれ。（二度目）

普通ここまでされたら、二度と省吾は信用できない筈なのに、一暴れしたその夜には家に行っちゃうんですか？ 省吾だけでなく、最後の最後で応援してきた敏史にも飼い犬に手を噛まれた気分です。 全く納得できないし、モヤモヤ、イライラばっかり残りました。

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♠ 貴公子の理不尽な愛情

貴公子の理不尽な愛情 / 著：樹生かなめ

あらすじ＞＞
刃物を感じさせる警察キャリアの甲斐と貴公子然とした会社社長の設楽は中学時代からの悪友。 ゲイの甲斐は気に入った男を落とすのに手段を選ばず、結果いつも長続きしない。 だが、設楽が甲斐に抱かれたいと言い出してから状況が一変。 言い出したら聞かない設楽は押しの一手。 それでも設楽に落ちない甲斐にしまいには薬を盛って監禁という強硬手段に出て…！　『限りなく』シリーズ番外編登場！！

個人的評価★＝1

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『限りなくゲームに近い本気』、『限りなく身勝手な愛情』、『限りなく不幸に近い幸福』 の番外編で、本編の攻めの学生時代からの悪友2人の話です。

ゲイで面食いの甲斐に、男同士のエチに興味があると迫ってくる設楽。
今作は攻めの甲斐視点で話は進みます。

貴公子然とした設楽は見た目は甲斐の好みですが、設楽も甲斐と同じロクデナシの仲間なので似たり寄ったりの性格です。 そんな奴はタイプじゃないと何度も断る甲斐に焦れた設楽は無理矢理既成事実を作ります。

管理人は『攻め→受け』への執着は大好物なんですが、『受け→攻め』の執着にはなんら萌えないのと、受けの知能指数が低いのは受け付けないので、読み始めてすぐに『これは、ないな』と思った作品です。

攻めを縛ってでも…！という受けを『必死で可愛い♥』と、受け入れられる心の広い方には問題ないかと思います。が、この作品は前作の『不幸に近い幸福』とリンクする場面があるので、本編から入られるとより面白いかと思います。

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♠ 限りなく不幸に近い幸福

限りなく不幸に近い幸福　/　著：樹生かなめ

あらすじ＞＞
サラリーマンの堀慧一は煮ても焼いても食えない後輩の高須賀和正と社内恋愛中。 堀は相変わらず高須賀に強引に抱かれ、散々喘がされるが、堀一筋な態度についついほだされてしまう。 そんなある日、親の海外赴任で実家に戻ることになった堀。 家人が居ないのをいい事に高須賀はそのまま同棲に持ち込むが、新婚生活は思いもよらない人物のせいで、とんでもない方向に…。

個人的評価★＝3.5

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『限りなくゲームに近い本気』、『限りなく身勝手な愛情』の続編です。

Amazonのレビューでは、評価割れてますね。
まぁ、もともと樹生先生の作品には性格破綻者がよく出てくるので、それが受け入れられる人と受け入れられない人がいると思うので、仕方がないのかもしれませんが。 とりあえず、私は前作の『身勝手』よりは好きです。

あらすじにもありますが、海外赴任で空いた実家に戻った堀は、押し掛け女房の高須賀となんだかんだ言いながらの同棲生活が始まります。

しかし、そんな堀の元に慧二の元カノが訪ねてきて、慧二の息子・海都を押し付けていきます。
幼児とどう接していいか分からない堀は、海都との生活にいっぱいいっぱいになりますが、その様子がなんだか微笑ましかったです。

堀と新婚生活を楽しんでいた高須賀は海都を最初は邪魔に思っていましたが、堀が海都を引き取ると決めたと同時に、高須賀と一緒になることにも覚悟を決めたことにより、最後には海都にお土産のプリンを買うくらいは丸くなった高須賀にホッとしました。

ママな堀、パパな高須賀を楽しめたら、そこそこ面白いかと思います。
あと海都が可愛いです。 大きくなってもパパ大好きな海都で、高須賀と堀を取り合えばいい。

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